「傭兵団の料理番4巻」の感想・レビュー|朱里の覚悟と仲間の絆が胸を打つ“絶望の戦場編”【ゆるめネタバレ】

ハイファンタジー

ここでは「傭兵団の料理番4巻」の感想・レビュー、個人的な見どころポイントを3つご紹介しています。

この記事を読めば「傭兵団の料理番4巻」の見どころや魅力を「あまりネタバレ」せずに知ることができるでしょう。

「傭兵団の料理番4巻」の主な見どころは以下の通りです。

  • かつてないほどに絶体絶命の状況に追い込まれてしまうガングレイブ傭兵団。
  • 朱里に託される”希望”と仲間達の想い。
  • 朱里の文字通り”命がけ”の鬼気迫る交渉、そして料理。

今回は今までにないくらい「絶望的な状況」に朱里たちが追いやられる緊張感のある一冊です、朱里と仲間達との「絆」が非常に強調された描写が多かったです。

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しじみぱんだ
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※本記事では物語の核心には触れていませんが、軽く内容に触れる“ゆるめのネタバレ”を含みます。気になる方はご注意くださいね。

「傭兵団の料理番4巻」のあらすじ

ニュービストでの色々と発生した事件を終わらせたガングレイブ傭兵団は冬を越すために別の町にたどり着きます。

そこで地元の領主から戦の依頼を受け、ガングレイブは少し悩みながらもこれを承諾して戦に臨むことになります。

しかし戦場では領主の息子が勝手に指揮を執り、戦況はどんどん悪化、敵にとって有利な地形におびき寄せられ大苦戦を強いられます。

挙句の果てに領主の息子がガングレイブ傭兵団を見捨てて勝手に戦線を離脱、ガングレイブ傭兵団は戦場に取り残されてしまうのでした。

「傭兵団の料理番4巻」の主な登場人物

東 朱里異世界に転移した料理人の青年。ガングレイブ傭兵団に拾われ、料理番を務めている。
ガングレイブガングレイブ傭兵団の団長。冷静な判断力とカリスマ性で傭兵団をまとめ上げる。
クウガガングレイブ傭兵団の第一歩兵部隊隊長。剣の達人で今回は朱里と行動を共にする。
リルガングレイブ傭兵団の魔工師部隊隊長兼任装備品管理者主任。朱里とクウガと共にこの戦では行動する。
 ガングレイブ傭兵団の仲間達
(テグ、アーリウス、アサギ、カグヤ、オルトロス)
ガングレイブ傭兵団でそれぞれが部隊の隊長。今回は朱里のために”あること”を決意する。
グルゴの民
(トゥリヌ、ギカヌ、ハイゴ)
ガングレイブ傭兵団と戦う先住民の部族。山の民で山のことを熟知しており、ゲリラ戦法を得意としている。
バイキルの民
(ミューリシャーリ、ナグズオルリ)
ガングレイブ傭兵団と戦う先住民の部族。海の民で漁の際には弓を使って漁をする。そのため弓の腕は非常にいい。

「傭兵団の料理番4巻」の見所ポイント3選

1.朱里の負い目と仲間たちへの想い

戦場に取り残され、全員が死んでしまうかもしれない危機的状況で朱里は必死に仲間たちのために「自分にできること」を行動します。

朱里は皆と違って戦場に出て戦えるわけではありません、朱里はそのことを改めて負い目に感じていました。

「少しでもみんなの力になりたい、でも自分には力がない」、そう感じる朱里の葛藤と想いがこちらにも伝わってきました。

その後、皆にむけて朱里が泣きながら自分の気持ちを叫び伝えるシーンはまさしく「迫真」そのものです。

「お願いします!勝ってください!そして、そして、いぎのこってぐださいっ!!」

出典:「傭兵団の料理番4巻」 出版:ヒーロー文庫 原作:川井 昴 引用:P22~から

2.すれ違う朱里の覚悟と仲間たちとの想い

朱里はガングレイブに頼まれて、”ある重要な作戦”を任されます。

朱里はガングレイブ達を助けるために覚悟を決めて、作戦を実行に移すのですが、そこにはガングレイブの「優しい嘘」が隠されていました。

ガングレイブ達のために少しでも力になりたい「朱里の覚悟」とせめて朱里だけには無事でいて欲しい「ガングレイブ達の想いのすれ違い」が何とも言えませんでした。

ガングレイブが旅立つ朱里の背中に向けて呟く一言にガングレイブの気持ちがすべて詰まっていました。

シュリ、今までありがとう。後は好きに生きろ。お前なら、どこでも生きていける。

出典:「傭兵団の料理番4巻」 出版:ヒーロー文庫 原作:川井 昴 引用:P47~

3.朱里に応え命がけで戦うガングレイブ傭兵団の皆

物語後半で負ける可能性が極めて高い戦にガングレイブと仲間達は「朱里のために戦い抜く」という決心をします。

ですが傭兵団の部下たちには事前に「逃げたいものは逃げていいと」伝え、部下たちの判断に委ねました。

ですが部下たちのほとんどが朱里のために命を懸けて残ることを選択してくれて、この場面で朱里がいかに「ガングレイブ傭兵団」の仲間として信頼され大切に思われていたかが、良く分かります。

ガングレイブ達、主要メンバーだけでなく名前も分からないモブの仲間達も一丸となっているこのシーンは本当に良かったです。

俺はここでも泣きそうだったよ。シュリの残した熱が、こいつらにここに留まる決断をさせたんだ。

あいつはどれだけのものを、俺に残してくれたのか。

出典:「傭兵団の料理番4巻」 出版:ヒーロー文庫 原作:川井 昴 引用:P338~

「傭兵団の料理番4巻」の一番の名言

グルゴの民との交渉をしようとする朱里が問答無用で殺されそうになった際に相手に向かって言い放った言葉です。

「ここで自分が引いたら、大切な仲間が死ぬ」という朱里の絶対に引けない気持ちの強さが滲んでいます。

下手したらすぐにでも殺されてしまいかねない、極限の中で仲間たちのために一歩も引かない朱里の姿は本当にかっこいいの一言です。

「武器もない、体力も武力もない。あるのは包丁だけ。僕は自分の包丁を人には向けない!」

出典:「傭兵団の料理番4巻」 出版:ヒーロー文庫 原作:川井 昴 引用:P78~

個人的な感想・レビュー、

今回は普段は料理番として後方で仲間達を支えてきた朱里が、ガングレイブ達を助けるために”初めて”戦場に繰り出す印象的な展開でした。

朱里の覚悟と胆力の強さがいつもよりも際立っていたように感じます。

実際この物語の中でのちに朱里は「ある呼び名」で伝説を残すことになる、と書かれていましたからね。

ストーリー的には一言でいうと「嘘から出た真」という言葉が真っ先に頭に浮かんだくらいの衝撃的で感動的な物でしたね。

今後の注目ポイント

  • グルゴとバイキルの民との繋がりがどうなるのか?
  • ガングレイブ傭兵団の今後の展開。
  • 朱里とガングレイブ傭兵団のより深まっていく「絆」

「傭兵団の料理番4巻」を読んだ”まとめ”

「傭兵団の料理番4巻」の感想・レビュー、個人的な見どころポイントを3つご紹介してきました。その内容は以下の通りです。

  • 朱里の抱える”負い目”と仲間達への応援
  • 仲間達の助けになりたい朱里と朱里を助けたいガングレイブ達の切ないすれ違い。
  • 朱里のために命を懸けてくれるガングレイブ傭兵団の全員の結束。

いまだないくらい絶体絶命なガングレイブ傭兵団と朱里がそれを何とかするために奮闘する、目が離せない激動の一冊、ぜひあなたも読んでみてください。

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今日のコツコツ

物語の中では朱里とガングレイブ達が出会ってまだ”1年”ほどしかたっていないんですよね。

自分の大切な仲間達とは言え、まだまだ慣れない異世界で、死ぬかもしれない状況で行動できるのは本当にすごいと思います。

ご都合主義と言われればそれまでですが、物語の主人公やキャラから生きていくうえでの「マネしたいこと」というものは見つけていきたいと思っています。

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