こんにちは、しじみぱんだです。
今回は日向夏先生の大人気シリーズ『薬屋のひとりごと(小説版)』第2巻について書評していきます。
「2巻ではどんな事件が起こるの?」「壬氏と猫猫の関係は進展するの?」
そんな疑問を持つ方に向けて、ネタバレを最小限に抑えながら作品の魅力をお伝えします。
作品情報(基本データ)

- タイトル:くすりやのひとりごと(2)
- 著者:日向夏
- イラスト:しのとうこ
- 出版社:ヒーロー文庫
- 発売日:2014年10月
- ジャンル:後宮ミステリー・人間ドラマ
あらすじ(ネタバレなしで概要)
後宮に戻った猫猫(マオマオ)は、再び壬氏のもとで働くことに。
2巻では後宮内外で次々と起こる「不審な事件」や「猫猫の血縁」に焦点が当たります。
とくに羅漢(ラカン)と鳳仙(フォンシェン)という2人の人物が登場し、猫猫の過去や家庭環境にも少しずつ光が当たり始めます。
見どころ・注目ポイント
- 羅漢と鳳仙の過去:2人の関係性が描かれ、猫猫の“血筋”を暗示する要素が出てきます。
- 壬氏の変化:猫猫への想いが少しずつ表面化し、読者もドキドキ。
- 後宮ミステリー要素:薬と毒、そして人の感情を絡めた事件の数々。
- 猫猫の成長:冷静沈着な彼女にも“揺らぎ”が見える。

個人的に一番見どころなのは、羅漢と鳳仙の関係性のところです。
二人の出会い、恋、結末、そして猫猫と複雑に絡み合った、人間関係のストーリーは読んでいて最も印象に残り、胸にグッときました。
印象的なシーン・セリフ
ただ地面に這いつくばり、人目をはばからず号泣したところで、時は戻らない。なにもかも、短絡的だった自分が悪かったのだ。
出典:薬屋のひとりごと:2巻 引用:320P~
このセリフは、羅漢が愛する人を迎えに行けなかった後悔と、絶望、そして自分へのふがいなさがとても強く感じられた所でした。
飄々としていて、人にあまり興味がない羅漢が、「こんなになるくらいまで、鳳仙のことを愛していたんだな」と知り、強く印象に残っています。
印象的な登場人物と関係性
- 猫猫(マオマオ):冷静沈着な薬師。2巻では感情の揺れが見える。
- 壬氏(ジンシ):美形の宦官。猫猫への想いが少しずつ表面化。
- 羅漢:猫猫の父親。優秀な軍師でありながら飄々とした性格で、掴みどころがない性格が印象的。
- 鳳仙:緑青館の奥の部屋で長年療養している、悲しみと執念の象徴的存在。
考察・深読み
2巻のテーマは「人の業」と「思惑」。
羅漢と鳳仙の関係は、愛情・執着・過去の因縁が複雑に絡み合い、物語全体に“苦味”を与えています。
特に羅漢と鳳仙の関係、壬氏と猫猫の関係がどう発展していくのかを考えさせられ、読み終えたあとも余韻が残りました。
また、壬氏の内面がより人間的に描かれ始め、今後の展開への伏線としても重要です。
感想・レビュー(個人の視点)
1巻ではほとんど触れられなかった、猫猫の両親について知ることができたのと、そこに隠されていた羅漢(ラカン)と鳳仙(フォンシェン)の悲恋。
各キャラの人間模様は読んでいて複雑でしたが、理解できた時の感動はかなりのものでした。
事件の謎だけではなく、それぞれの人間関係の行方も今後気になります!
良かった点・気になった点
良かった点
- 羅漢・鳳仙のドラマ性が深い
- 知識×人間模様のバランスが秀逸
- キャラ描写の緻密さ
気になった点
- 事件描写がやや淡々としており、スリル感は控えめ
- 1巻を読んでいないと関係性が少しわかりにくい
まとめ・おすすめ度

『薬屋のひとりごと2巻』は、ただの後宮ミステリーではなく、人間の弱さと優しさを描いた作品。
猫猫の両親に関してと、壬氏との関係、そして事件に隠された陰謀など、見所が盛りだくさんでした。
個人的評価:4.5 / 5.0
こんな人におすすめ:
- 登場人物の心情をじっくり味わいたい人
- ミステリーよりも人間ドラマを楽しみたい人
- 猫猫と壬氏の関係が気になる人
『薬屋のひとりごと1巻のあらすじと感想はこちら!』
今日のコツコツ
読んでいて「猫猫の両親ってどうなってるんだろう?」とずっと考えていたので、今回第2巻を読むことでようやく知ることができました。
読み終わった後としては、「救われない恋だとしても、実ることのない恋にならなかった」のは良かったなと感じましたね。


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