子どもの扱いづらさ、学校での人間関係、家庭内のコミュニケーション──。
子育てのなかでこうした悩みを抱える保護者は少なくありません。
この記事では、そうした “子どもとの関わり方に迷いを感じている方” に向けて、
理解の手がかりとなる一冊をご紹介します。
それが、「のび太・ジャイアン症候群 いじめっ子、いじめられっ子は同じ心の病が原因だった」 です。
本書では、子どもが抱える特徴や行動の背景を、ドラえもんのキャラクターにたとえて説明しており、専門的な内容が非常に読みやすく整理されています。
親・教師・子ども本人の理解にもつながる一冊だと感じました。
「のび太・ジャイアン症候群 いじめっ子、いじめられっ子は同じ心の病が原因だった」はどんな本か？
一言でまとめると、
「子どもの行動特性とその背景を、ドラえもんのキャラクターに当てはめて解説した本」
です。
著者の司馬利英子さんは、長年このテーマを研究されてきた方で、ご自身の経験も交えながら、子どもがどのような行動パターンを示し、どのようなサポートが必要なのかをわかりやすく提示しています。
専門用語を多用せず、例え話で進むため、保護者はもちろん教育現場の方にも読みやすい構成になっているのが印象的です。
「のび太・ジャイアン症候群 いじめっ子、いじめられっ子は同じ心の病が原因だった」を読んだ理由
私自身、学生時代に不登校を経験しました。
いじめが理由ではありませんでしたが、当時の自分の行動を振り返ると「なぜあんなふうになっていたのだろう」と疑問が残る部分も多くあります。
「のび太・ジャイアン症候群 いじめっ子、いじめられっ子は同じ心の病が原因だった」で参考になったポイント３選
１．「のび太・ジャイアン症候群」という視点
「のび太・ジャイアン症候群」という名前を聞いて最初はピンとこきませんでした。
この本では「注意欠陥多動性障害（ADHD)」のことを指していると理解して、「こんな考え方があるんだ気づかされましたね。
私はドラエモンが好きで昔よく読んでいたので、「のび太・ジャイアン症候群」という名称のほうが理解しやすかったです。
また、のび太やジャイアンのキャラに当てはめて説明してくれるので、内容がスッと頭に入りやすいのもポイントですね。
２．“のび太型”と“ジャイアン型”で違うアプローチが必要
本書では、子どもの傾向を大きく２タイプにまとめています。
- ジャイアン型：衝動的で行動が先走りやすい
- のび太型：自己主張が苦手で気持ちをうまく表に出せない
双方の特徴、つまずきやすいポイント、適した関わり方が丁寧に解説されており、読み手としても「あ、こういう場面があった」と自分の記憶や身近な子どもに重ねやすい内容になっています。
特に、
「２つのタイプが関わることで摩擦が生まれやすい」
という視点は、いじめの本質を構造的に理解する手がかりとして非常に興味深いものでした。
③３．“問題”ではなく“可能性”を見る大切さ。
本書で繰り返し語られるのは、
「子どもたちは本来、大きな可能性を持っている」という前向きな視点
です。
集中力が続きにくい一方で、
好きなことに対しては驚くほど高い集中力を発揮する
──この特性は、環境と関わり方次第で力に変わる、と著者は強調します。
歴史上の人物の例を交えながら、子どもを“問題のある存在”としてではなく、“伸びしろを秘めた存在”として捉え直す姿勢には、読んでいて励まされるものがありました。
■ 読んで感じたこと
「のび太・ジャイアン症候群」について読んでいくうちに、「自分もそうだったかも」と思うところがありました。
「自分はこういう性質がある」と知っておくだけでも、気持ちがスッと楽になりましたね。
「のび太・ジャイアン症候群 いじめっ子、いじめられっ子は同じ心の病が原因だった」の一番の名言
本書には印象深い言葉がいくつもありますが、特に覚えておきたいのは次の一節です。
彼らは大器晩成といわれる素材であり、磨かれぬダイヤモンドの原石である。
単一の価値で彼らを判断せず、彼らに十分な時間と愛情とふさわしい環境を与えてやりたいものである。
出典：「のび太・ジャイアン症候群 いじめっ子、いじめられっ子は同じ心の病が原因だった」 著者：司馬理英子 引用：P２２３から
この言葉には、著者が子どもたちに向けるまなざしの優しさと、
“理解しようとする大人が増えれば、子どもの未来はもっと明るくなる”
という願いが込められているように感じました。
まとめ：子どものいじめ、不登校問題などの解決の糸口になってくれる一冊！
この本は、子どもの行動背景をより深く理解するための入門書として、とても読みやすく、示唆に富んだ一冊です。
- 子どもとの関わりに悩む保護者
- いじめ・不登校に向き合う大人
- 学校現場にいる先生
- 自分の特性を知りたい人
どの立場でも参考になる視点が得られると思います。
子どもに寄り添ったサポートをしたいと感じている方は、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
今日のコツコツ
注意欠陥多動性障害（ADHD)についてはテレビなどである程度知っているつもりでした。
ですが「のび太・ジャイアン症候群」という名称と症例をこの本で知り、「自分もあてはまるところがあるなぁ」と気づくところもありましたね。
今回自分自身のことが少しわかった気がして、個人的に気持ちが少し納得しました。
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