こんにちは、しじみぱんだです!
2巻に続き、「薬屋のひとりごと3巻」を読んだので、あらすじ、感想、見所ポイントなどをご紹介していきます。
第3巻の見どころを一言で言うなら「陰謀と恋心が交錯する、緊迫の後宮ミステリー」です。
それでは解説していきます。

ネタバレが少しあるから注意!
作品情報(基本データ)

- タイトル:薬屋のひとりごと(3)
- 著者:日向夏
- イラスト:しのとうこ
- 出版社:ヒーロー文庫
- 発売日:2015年6月
- ジャンル:後宮ミステリー・人間ドラマ
『薬屋のひとりごと3巻』のあらすじ
玉葉妃の妊娠が判明し、再び後宮で働くことになった猫猫(マオマオ)。しかし後宮内外から不穏な動きが忍び寄ります。ここでも猫猫の推理がさえわたります!
一方、壬氏(ジンシ)は隣国の特使たちの「数十年前に見た妓女が見たい」という要求に頭を悩ませていました。花街の事情に詳しい猫猫に詳しい話を聞くと、その人物は予想外の人間だった!
また、避暑地に向かう壬氏に同行することになった猫猫、一方そこでも壬氏を狙う陰謀に巻き込まれます。
後宮内に渦巻く陰謀、隣国の思惑、そして壬氏の過去についてや猫猫とのもどかしい関係が、見ていてドキドキします!
見どころ・注目ポイント

3巻の見どころは、後宮内外の陰謀と、人間関係の機微が巧みに絡み合う展開です。
玉葉妃の懐妊が明らかになり、後宮の雰囲気が一気に変わる中、猫猫は再び宮中で働くことになります。
一方、壬氏は隣国の特使から奇妙な要求を受け、外交問題にも頭を悩ませることに。
事件、政治、恋心――それぞれが少しずつ動き出す緊張感が本巻の魅力です。
特に注目すべきは、猫猫と壬氏の“心理的な距離”の変化。
冷静で毒舌な猫猫の内面に、わずかに生まれる感情の揺らぎが読者の心をくすぐります
薬屋のひとりごと3巻の見どころ
印象的だったのは、壬氏が猫猫に見せるほんの一瞬の素顔。
普段は完璧で余裕のある壬氏が、猫猫の言葉に動揺したり、感情を抑えきれない場面があります。
「おまえにとって、俺は俺か」
引用:薬屋のひとりごと3巻 P389~ 出典:ヒーロー文庫
この一言には、壬氏の苛立ちと切なさ、そして猫猫への複雑な想いがにじんでいて心に残りました。
シリーズを通して少しずつ描かれていく二人の関係性を象徴する一場面です。

この内心ほっとしているような、寂しそうな感情が込められたセリフには壬氏の切ない胸の内が伺えます。もどかしいですね!
印象的な登場人物と関係性
やはり中心は猫猫と壬氏の二人。
3巻では、彼らの関係が「主従」から「個人」へとわずかに踏み込む印象があります。
猫猫は依然として理屈っぽく感情表現が苦手ですが、壬氏の真剣な視線に戸惑いを見せる瞬間があり、その“無自覚な可愛らしさ”が魅力です。
壬氏もまた、猫猫への興味が単なる好奇心ではなく、もっと深い感情に変わりつつあることを自覚していきます。
また、玉葉妃や梨花妃といった周囲の人物が物語のバランスを保ちつつ、後宮という舞台の緊張感を引き締めている点も見逃せません。
考察・深読み

3巻では、表向きの事件の裏に「身分差と立場」という大きなテーマが隠されています。
猫猫は自分の立場をわきまえ、壬氏に対しても一線を引こうとします。
しかし、壬氏はその線を越えようとする。
この“距離感の攻防”こそが、恋愛ではなく「権力と知性のせめぎ合い」として描かれているのが面白いところです。
また、壬氏の過去や出生に関する伏線が巧妙に仕込まれており、後の巻に向けた重要な布石となっています。
感想・レビュー(個人の視点)
個人的には、この巻では壬氏が猫猫への思いをより強くしていると感じました。
それまで淡々と進んでいた物語が、ここで一気に人間ドラマとして深まる。
特に壬氏がただの美形キャラではなく、どこか子供っぽいところを見せる、“感情を持つ人間”として描かれる点が印象的でした。
また、猫猫の皮肉交じりのセリフも健在で、重いテーマの中にもユーモアが散りばめられています。
読後には、「早く4巻を読みたい!」という気持ちにさせられます。
良かった点・気になった点
良かった点
- ミステリーと恋愛のバランスが絶妙
- キャラクターの心情描写が丁寧
- 壬氏の背景に深みが出てきた
気になった点
- 登場人物や政治的背景がやや複雑で、初見の読者には少し分かりにくい
- 中盤の展開がやや説明的でテンポが落ちる部分も
まとめ・おすすめ度

『薬屋のひとりごと3巻』は、事件の面白さと人間関係の変化が見事に融合した一冊です。
これまでの「後宮ミステリー」から、「人間ドラマ」へと進化していく過程が感じられます。
特に、猫猫と壬氏の関係が“動き出す”瞬間を楽しみたい人におすすめ。
おすすめ度:★★★★☆(4.5/5)
今日のコツコツ
今回でだいぶ猫猫と壬氏の関係が大きく進むと思いましたが、やはり立場や身分の差が大きな障害ですね。
また猫猫も壬氏のことは”異性”としてはまだ見ていないというのが、読者としては「温度差がすごい」と感じ、読んでいてやきもきします。
ですが「思いを少しづつ表面化させる壬氏」と「冷静に勘違いしている猫猫」の構図が、やっぱり面白いところだと思います。


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